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物語 †
あなたが偶然ヴェネツィアの街中で助けた令嬢は、元首補佐官アルヴィーゼの妹にして名家オルセオロ家の娘ヴィットーリア。
彼女は、冒険家や芸術家を支援する活動に没頭しており、自ら主催するサロンにあなたを招待してくれるのだった。
序章:旅立ち †
- あらすじ
東方交易がもたらす巨万の富により、長きに渡り地中海の女王として君臨してきた、潟上の都市国家ヴェネツィア。
この美しき水の都にてプレイヤー名は航海者としての第一歩を踏み出した。
2,000Dを入手する。
ダガーを入手する。
帆塗料を入手する。
望郷のカリヨンベルを入手する。
東地中海の入港許可証を入手する。
1章:昇天祭の出会い †
- あらすじ
昇天祭の日、ヴェネツィアにて行われる、「海との婚礼」の儀式。人々は、国家の永遠の繁栄を予感させる、その豪奢なる光景に酔いしれていた。
と、そこに、突如、助けを求める女の声が響く。
貴族家の侍女らしきその女は、お嬢様を助けてほしいと、プレイヤー名に懇願する。
街のはずれへ駆けつけると、そこには貴族の娘を手にかけようとする暴漢の姿が。
姿を見られた彼らは、プレイヤー名もろとも始末しようと、短剣を構える。
だが、巡回中の夜警隊が通りかかり、たちまち遁走してしまう。
プレイヤー名の勇気ある行動に深く感謝する、その貴族の娘の名はヴィットーリア。名家オルセオロ家の娘であった。
そこに使者がやってきて、彼女の兄のところまで来るよう、伝えられる。
ヴィットーリアは、兄が事件について知るのが、早すぎるのではないかと訝しみつつも、目撃者であるプレイヤー名と共に、元首公邸へと向かうことに。
ヴィットーリアの兄、元首補佐官アルヴィーゼと面会するプレイヤー名たち。
アルヴィーゼは、政敵グラデニーゴ率いる長老派の手下が、妹の身辺で蠢いているのを、事前に察知していた。
だが、彼らが尻尾を出すのを待ち構えるため、あえてその件を秘していたのだという。
自分が政争の囮として使われていたことに、当惑するヴィットーリア。
そのとき、突如、公邸に男たちが乱入してくる。
ヴィットーリアが、自らのサロンに招き、支援している芸術家や、学者たちだった。
アルヴィーゼは、彼らをガラクタと断じ、いつまで家に飼い続けるつもりだと、皮肉る。
だが、ヴィットーリアは、彼らへの援助は、このヴェネツィアの文化を発展させるための大切な仕事だとし、出て行ってしまう。
アルヴィーゼは、妹の強情さに嘆息する。
公邸の表で、ヴィットーリアは、兄の自分への態度を嘆く。父も母も亡き今、肉親はアルヴィーゼ一人しかいない。少しは、自分の身を心配してくれてもいいのに、と。
ひとしきり、胸の内を明かしたヴィットーリアは助けてくれたプレイヤー名に改めて感謝を述べる。
そして、来る日の再会を約し、黄昏の街へと消えていくのだった。
香油を入手する
2章:異色のサロン †
- あらすじ
1章終了後30日以上の航海を経ていること
出港所でイベント開始
ある日、プレイヤー名は、ヴェネツィアの港にて、無賃乗船をとがめられているムスリムの少年と出会う。
財宝発掘家の卵で、ハルーンと名乗るその少年はプレイヤー名が、ヴィットーリアと知り合いだと知るや、自分を彼女に紹介して欲しいと懇願する。
オルセオロ家を訪れたプレイヤー名を、歓待するヴィットーリア。紹介を受けたハルーンは、ヴィットーリアに自分を売り込むため、手持ちの発掘品を差し出そうとする。
だが、ヴィットーリアは、それが盗掘品であることを知り、受け取りを拒む。
彼女は、学問的な発掘には喜んで出資するが、遺跡を傷つける盗掘を、嫌っていたのだ。肩を落とし、去っていこうとするハルーン。
だが、ヴィットーリアは、そんな彼を呼び止め、盗掘をやめることを条件に契約を持ちかける。
ハルーンは大喜びでこれを受けるのだった。
新しい仲間を歓迎する芸術家や学者たち。
彼らは語る。専門家も真っ青の目利きであるヴィットーリアのサロンでは、普通の貴族のサロンと違い、お世辞が一切通用しない。
その代わりに、世に認められぬ一匹狼にも活躍の場が与えられるのだと。
不意にハルーンが、オルセオロ家で収蔵している美術品を見てみたいとせがむ。
ヴィットーリアは、特別だといって、プレイヤー名を伴い、収蔵室へと向かう。
そこでヴィットーリアが自分が好きな絵だと言って見せたのは、一枚の聖母子画だった。
この絵に描かれた、穏やかな微笑を湛えた聖母。それこそが、ヴィットーリアが芸術に興味を持つきっかけとなったのだという。
そこに突如響き渡る怒声。無断で収蔵室に入ったことを叱るアルヴィーゼに、ヴィットーリアは謝りつつも、なぜそこまで頑なに立ち入りを禁じるのか尋ねる。
アルヴィーゼはおまえが関知することではないと答え、政務に出て行ってしまう。
落ち込むヴィットーリアに、ハルーンは自分がムリを言ったせいだと謝る。
そして、あらためてプレイヤー名に、ヴィットーリアに自分を引き合わせてくれたことを感謝するのだった。
山師のダウジングロッドを入手する
3章:聡明なる月の女神に †
二章終了より30日後。
商業地区道具屋主人前にいるエマレッタと会話する。
- あらすじ
後日、プレイヤー名はヴィットーリアとハルーンが、出航所の役人と言い合いになっているところに出くわす。
事情を語る二人。発端は、議会での地盤固めを望むアルヴィーゼが、ヴィットーリアを有力貴族と結婚させようと画策したことだった。
自分の意志を無視する、兄の強引な手口をよしとしないヴィットーリアは、ハルーンの手引きで、屋敷を脱出。
そのままナポリ近郊にあるというローマ時代の遺跡を見に行こうとしていた。
ところが、港にはすでにアルヴィーゼの手が回っており、オルセオロ家の船を出すことができなかった。二人は、プレイヤー名にナポリの遺跡に連れていってほしいと持ちかける。
ナポリへ移動
ナポリに到着し、早速、郊外へ向かうプレイヤー名たち。
ハルーンの地図によれば、街から東の方角にある大きな枯れ木が、遺跡への目印だという。
郊外東側にある大きな枯れ木を調べるとカンパーニャ地方へとばされる
目印のリボン(道具屋で購入)を所持していくことを薦めます。
ようやく到着した遺跡では、すでに発掘隊の手により、太陽神・アポロンの像が出土していた。
発掘を指揮する青年はさらにアポロン像と対になる、月の女神ディアナの像を探すよう命じる。
ヴィットーリアは、遺跡が噂通り、ローマ時代のポンペイの街だったことに、歓声を上げる。
それに気づき、声をかけてくる青年。そこに、一台の馬車がやってくる。
出てきたのは「伯爵夫人」と呼ばれる壮年の婦人だった。発掘隊長のジュリアンは、彼女に慇懃にかしずく。
アポロン像に目をつけた伯爵夫人は、自分の庭園を飾るため、すぐに掘り出し、馬車に積み込むよう命令。だが、ヴィットーリアは、盗掘同然のその行為をとがめる。
盗人呼ばわりされた夫人は腹を立てるが、そこにジュリアンが割って入る。
彼は彫像を、価値もない粗雑なものだと嘘をつき遺跡から出土したという、豪華な金細工の首飾りを差し出す。たちどころに機嫌を直す夫人。
去り際、ジュリアンは、ヴィットーリアにこう告げる。
「聡明にして、美しき月の女神ディアナに、いつか再びお会いできますことを」
馬車が行った後、ヴィットーリアは、ジュリアンが「パヴォ(孔雀)」、すなわち、価値のない物を売りつけ、文芸保護家から金を騙し取る輩かもしれないと疑う。
なぜなら、彼が、夫人に差し出した首飾りは、出土品ではなく、最近になってから作られた模造品だったためだ。
だが、その一方、彼が主人に嘘をついて、アポロン像を守ったことも、紛れもない事実だった。
ジュリアンの相反する行動に当惑しつつも、ヴィットーリアは、遺跡まで連れてきてくれた、プレイヤー名に礼を言い、ナポリへの帰途につく。
20000D入手
冒険名声40獲得
街に、アルヴィーゼの命を受けた、彼女の侍女エマレッタが待ち構えていた。
婚姻が破談になったと告げられ、思わず笑顔を見せるヴィットーリアに、エマレッタは呆れ顔。
ヴィットーリアは、オルセオロ家の船に乗せられヴェネツィアへと連れ戻されてしまう。
4章:キプロス迎撃指令 †
- あらすじ
3章終了後30日以上の航海を経ていること
出航所でイベント開始
キプロス島沖で、トルコ海軍により、ヴェネツィア籍の商船が襲われる事件が頻発していた。
それでも、これといった対抗手段を講じない政府に、苛立ちを募らせているヴェネツィア市民。
そうした中、プレイヤー名は、十人委員会委員長グラデニーゴにより、元首公邸へと呼び出される。
公邸には、同じく呼び出された民間の船乗りたちがいた。グラデニーゴは、プレイヤー名らを臨時で徴用し、キプロス沖に出没するトルコ艦隊の討伐を命じると宣言。
船乗りたちは、なぜ、正規の海軍ではなく、自分たちを派遣するのだと異論を唱えるが、グラデニーゴは、取り合おうともしない。
そこにアルヴィーゼが乱入。プレイヤー名らを指し、こう言う。
「彼らは、ヴェネツィア市民とトルコ、両者に対し、体面を繕うための捨て石派兵というわけか」
核心を突かれて、狼狽するグラデニーゴ。アルヴィーゼは、自ら討伐艦隊の指揮を執ると宣言。
グラデニーゴは、後で後悔するでないぞと言い、立ち去っていく。
自分たちが「捨て石」とは、どういうことか。
船乗りたちの問いに、アルヴィーゼは答える。
トルコの軍事力は、ヴェネツィアの数十倍。全面戦争に陥れば、まず勝ち目はない。
しかし、海賊行為をこれ以上黙認しては、長老派は世論を敵にまわし、次の選挙が危うい。
そこで、勝敗は度外視で、民間から徴用した艦隊を派遣。曲がりなりにも討伐に乗り出したことで世論を沈静化させ、トルコに対しても、民間人の独断として言い訳をつけようとしたのだという。
アルヴィーゼとプレイヤー名の急な遠征を心配し、港にやってきたヴィットーリア。
アルヴィーゼは、トルコ海軍など、ヴェネツィアの敵ではないとうそぶき、ヴィットーリアに引き続きの謹慎を命じる。冷淡な兄の態度にむくれるヴィットーリア。
そんな妹が去るのを見届けたアルヴィーゼは、こうつぶやく。
グラデニーゴとの対立により、自分はいつ殺されるやもしれない。ヴィットーリアの結婚を急ぐのも自分がいなくても生きていけるようにとの願いゆえなのだ、と。
アルヴィーゼは、ヴィットーリアのためにも、必ず生きて帰るよう、プレイヤー名に言い聞かせると、ファマガスタへの出撃を、全艦隊に命じるのだった。
キプロス島西沖(1400.3385付近)で強襲用ガレー×3、ガレー×2と戦闘
キプロス沖にてトルコ艦隊を補足したプレイヤー名たち。
だが、敵艦隊は殿軍を残し、大半が撤退。
勝利こそしたものの、釈然としないまま、ヴェネツィアへの帰途につく。
ヴェネツィアに戻ると、撤退の理由が明らかに。
トルコに服属するエジプト太守が、アルヴィーゼらの攻撃に対する報復を口実に、コショウの輸出を停止していたのだ。
コショウの輸入が止まれば、ヴェネツィア経済は大打撃を受ける。
すべては、トルコがヴェネツィアを外交的に追い詰めるために仕組んだ、罠であった
また、人々は、キプロス沖の攻撃は、すべてアルヴィーゼの独断だと信じこんでおり、帰還したアルヴィーゼに容赦のない罵声を浴びせかける。
アルヴィーゼは、事の次第を確かめるべく、元首公邸へと急ぐ。
だが、グラデニーゴは、すべては民間の風聞に過ぎないと言いつくろい、アルヴィーゼに新たな指令を下す。
アレクサンドリアへ赴き、停止されたコショウの輸入を再開させよ。アルヴィーゼは、国家の危機を救うため、予算も使節団も与えられぬ、この困難な命令をあえて受け入れる。
そんな彼の背に、グラデニーゴはこう言い放つ。
「オルオセロ補佐官・・・。あなたの亡きお父上は、実に物分りのよい、貴族の中の貴族とも呼べる方でした。わざわざ、身の破滅を招く、今のあなたの行いを見たら、きっと嘆き悲しまれることでしょうな」
アルヴィーゼは、プレイヤー名に長老派の襲撃に用心せよと、ヴィットーリアへの伝言を託し、エジプトへと旅立っていくのだった。
30000D入手、戦闘名声60獲得
5章:砂漠の覇王 †
ヴェネツィアのオルセオロ邸にて開始
- あらすじ
プレイヤー名の帰還にほっとするヴィットーリア。
だが、アルヴィーゼが、エジプトに向かったと知るや、顔色を変える。
危険を察した彼女は、アレクサンドリアへ向かい一緒に兄の身を守ろうと、プレイヤー名に持ちかける。
アレクサンドリアに着いたプレイヤー名たち。だが、港で目を離した隙に、何者かがヴィットーリアを連れ去ってしまう。
街の雑踏では、さらわれたヴィットーリアの身柄が、競売にかけられていた。
次々と値を張り合う商人たち。助けを求める声も熱狂にかき消されてしまう。
値が500万に吊りあがったそのとき、忽然と現れた大柄の男が、破格の5000万を提示する。
遊牧民ベドウィン首長、砂漠の覇王ファイサル。
その男の名を聞いた商人たちは、すごすごと立ち去るしかなかった。
ファイサルは、ヴィットーリアを連れ去ろうとする。ヴィットーリアが悲鳴をあげると、一人の男が駆け寄ってくる。
先にアレクサンドリア入りしていた、アルヴィーゼであった。
事の次第を聞いたファイサルは、ヴィットーリアに陳謝。ヴェネツィアの高官がなぜ、こんな所にいるのか尋ねる。
その原因が、コショウの輸出停止だと知るや、何か思惑ありげに、宮殿へと向かう。
慇懃な出迎えをするエジプト太守。ファイサルはコショウ輸出を止めた意図を問い詰める。
宗主国トルコの敵に売るコショウはないと答える太守。
ファイサルは、輸出停止の影響により、商人の護衛をする機会が減っていると指摘。
たちまち、口ごもる太守に、ファイサルはさらなる追い討ちをかける。
「牙を持て余し、血に飢えた狼は、砂漠から出でて、そなたらのノド笛に喰らいつくだろう」
恫喝に怯えた太守は、トルコへの黙秘を条件に、コショウの輸出再開を約束する。
アルヴィーゼは、ファイサルの実力に感服すると共に、謝礼を出そうとする。
だが、ファイサルはヴェネツィアとベドウィン、相互の利害が一致しただけのことだと断り、続けてこうつぶやく。
「近いうちに砂漠を通るコショウなど、意味がなくなる」
言葉の意味を問うアルヴィーゼに、ファイサルはさらなる、謎めいた言葉を残し、去っていく。
「太陽は中天を越え、西へと傾きつつある」
ファイサルの言葉に、アルヴィーゼは一つの心当たりがあった。
それは、数年前、イスパニアのコロンという男が西廻りインド航路を拓いたとの報告だった。
もし彼が、本当にインドからコショウを仕入れたとすれば、ヴェネツィアでの独占体制は、既に崩壊していることになる。
アルヴィーゼは、対策協議のため帰還する自らの代わりに、セビリアで事実関係を探ってきて欲しいと、プレイヤー名に依頼する。
そのたびに自分も連れて行ってほしいと懇願する、ヴィットーリア。
国の一大事に何もせずにいることが耐えられないというのだ。
アルヴィーゼは同行を許可。プレイヤー名にその身を託すのだった。
6章:太陽は西天へ †
5章から連続
セビリア出港所→リスボン酒場
(なお新規の北大西洋入港許可は名声1000(17.8.24以降)必要)
(新規で北大西洋入港許可が合計名声900でおりました(2006.3.26))
(さらに前提となる西地中海(ピサ〜バレンシア)の新規の入港許可は冒険・交易・戦闘いずれかの名声250(2007.5確認)必要。合計名声ではない模様)
- あらすじ
セビリアに到着したプレイヤー名たち。だが、港で人々のうわさに上っていたのは、コロンではなく、聞きなれぬ男の名前だった。
ポルトガルのインディアス遠征提督・ガマ。
彼は数日前に、インドからコショウを持って、リスボンに帰還したのだと言う。
リスボンの酒場に行くと、ガマのインド遠征に随行したという士官が、インドの土産話を自慢げに語っていた。
高額なコショウが、タダ同然の価格で売られているとの話に、船乗りたちは半信半疑。
士官は、航海日誌を取り出し、それが真実であることを見せびらかす。
プレイヤー名は日誌を見せるよう、士官に頼み込む。
すると、士官は、機密文書を見せるわけにはいかないと、出し渋りつつ、ヴィットーリアをだしに、ある条件を提示してくる。
葡萄酒を飲み比べて、勝ったら、日誌を見せる。ただし、負けたら一日付き合ってもらう、と。
ヴィットーリアは、ハルーンの制止も聞かず、受けて立つ。
そうして、互いに飲むこと十数杯。
泥酔して別人のような態度で酒を強引に飲ませるヴィットーリアに、士官はタジタジ。
ついに負けを認め、気絶。まもなく、ヴィットーリアも、倒れこんでしまう。
たちまち、騒ぎを聞きつけた兵士がやってくる。プレイヤー名らはヴィットーリアをおぶって、酒場を退散する。
士官の日誌は、どさくさまぎれにハルーンがくすねていた。任務を果たした一行は、ヴェネツィアへ帰還する。
日誌を受け取ったアルヴィーゼは、プレイヤー名達の働きに感謝し、早速元首への報告に向かう。
元首はコショウの独占体制が崩壊したことを知り、愕然とする。
アルヴィーゼは、この事実を、なるべく穏当な形で発表するよう、嘆願する。
衝撃を和らげなければ、先行きへの不安から、経済恐慌が起こるとの判断からだった。
だが、グラデニーゴは、ポルトガルへの敗北を認めては、ヴェネツィアの権威失墜に繋がるとしてこれに反対。
元老院が召集され、緊急討議が行われる運びとなる。
しかし、結局、これといった結論も出ぬまま、時だけが無為に過ぎ、ついに噂が広まってしまう。そして、ヴェネツィアの街は、危惧していた通りの大恐慌に見舞われるのだった。
7章:虚飾の宴 †
6章終了後、航海日数30日以上の経過が必要。道具屋前にエマレッタが立っていれば、オルセオロ邸で開始できる
- あらすじ
ヴェネツィアの街は、近々、元首公邸で開催されるという、晩餐会の噂で持ちきりになっていた。
しかし、先日のコショウの一件があったばかりで国の財政が傾いているときに、なぜ晩餐会が開かれるのかと、ヴィットーリアは首をかしげる。
各国から大商人を招き、「重大発表」をするためなのだというが、失敗は目に見えていると吐き捨てるアルヴィーゼ。
ヴィットーリアは、その晩餐会にプレイヤー名も、一緒に来てほしいと誘う。
アルヴィーゼは、ヴィットーリアに、賓客たちに粗相のないように言いつけ、一足先に公邸へと向かう。
公邸では、贅を尽くした宴が催されていた。
壇上に現れた元首が、商業振興のため、アフリカ廻りのインド航路への参入を発表。
外洋航路に不慣れな自国商人の代わりに、他国の商人たちを誘致しようというのだ。
表向き、追従の相手をする商人たち。だがその表情は一様に冷ややかだった。
それもそのはず。今やコショウの産地に最も近いのは、大西洋沿いのポルトガル。地中海の奥に位置するヴェネツィアは、最も遠くなってしまったのだから。
そんな現実も見えず、かつての威光にすがる長老派の無能ぶりにアルヴィーゼは、愛想を尽かし、出て行ってしまう。
演説が終わり、舞踏の時間となる。
いつの間にかプレイヤー名とはぐれたヴィットーリアが、商人に酌をさせられていた。
勧められた酒を断ったヴィットーリアに、商人はお高く留まりやがって、と舌打ち。「没落国家」のくせにとヴェネツィアをあざ笑う。
商人の無礼な振る舞いに、思わず怒りの視線を向けるヴィットーリア。一触即発のそのとき、突然彼女を踊りに誘う男の声が。
ナポリ郊外の遺跡で会った、ジュリアンという青年だった。
ジュリアンは、見事な踊りでヴィットーリアを、リード。美しい二人の姿に、その場の人々は思わず溜息をつく。
晩餐会が終わり、公邸を後にするプレイヤー名たちのもとに、ジュリアンが挨拶に来る。
助けてくれた彼に礼をいうヴィットーリア。
そこにアルヴィーゼがやってくる。
ジュリアンが語る肩書きに偽りがあることを見抜いたアルヴィーゼは、不快そうに退去を命じ、去っていく。
ジュリアンは、しばらくヴェネツィアに身を置くにあたり、財宝探索家として、ヴィットーリアと契約したいと持ちかける。
ヴィットーリアは正式な出資の条件として、古代の詩文を頼りに、伝説のカルタゴの遺跡を見つけてくるよう依頼。
ジュリアンは監視役のハルーンと共に、旅立って行く。
8章:慧眼のパトローネ †
7章終了後航海30日の経過が必要
- あらすじ
後日、ヴェネツィアに帰還していたハルーンと再会したプレイヤー名。
彼によれば、ジュリアンは見事、カルタゴ遺跡を発見。
発掘が長引くため、ひとまずハルーンだけ報告に帰ってきたのだという。
ハルーンの報告を受けたヴィットリーアは、サロンの学者や芸術家を連れて、現地へ視察に行くと言い出す。
プレイヤー名の船で、遺跡があるというチュニスへ向かう一行。
だが、ハルーンが遺跡への地図を失くしていたため、仕方なく自力で発掘現場を探索。
(※当該クエストはマルセイユ若しくはセビリアの冒険者依頼仲介人で受けられる。)
ついに、遺跡のあるビュルサの丘に到着する。
出資者であるヴィットーリアが、わざわざイスラム圏の発掘現場まで視察に来たことに驚くジュリアン。
さらに彼を驚かせたのは、彼女がサロンの芸術家や学者まで、連れてきたことだった。
彼らは、過去の叡智に直接触れることで、着想を得て、新たな作品作りに燃えている様子。
ヴィットーリアは、ここまで連れてきてくれたプレイヤー名に改めて謝意を表し、ヴェネツィアへの帰途につくのだった。
30000D入手、冒険名声100獲得
9章:家族の残照 †
8章から連続
- あらすじ
ヴェネツィアへ帰る船に乗ろうとしたところで、ヴィットーリアは、ハルーンの姿が見当たらないことに気付く。
さっそく、手分けして探しに向かうプレイヤー名たち。
プレイヤー名は、街の休憩所にて、商人と立ち話をしているハルーンを見つける。
ハルーンは、生き別れの両親が、行方を探しているとの話に、動揺している様子。
プレイヤー名が傍にいたことに気付いた彼は、立ち聞きしていなかったかを確かめ、船に戻る。
ようやく、揃った一行はヴェネツィアへと帰還する。
チュニスから戻って以来、ハルーンの様子がおかしいことに気付いたヴィットーリア。
彼の身に何かあったのかとプレイヤー名に尋ねる。
ハルーンが、両親の生存を知ったものの、ヴィットーリアに仕える手前、会うに会えない状況にある、と告げるプレイヤー名。
すると、ジュリアンは、自分がハルーンの両親の行方を捜しに行くと申し出て、プレイヤー名に手助けを依頼する。
まずは、ハルーンが会っていたという商人から話を聞くため、チュニスへと戻ることに。
商人によれば、ハルーンの両親は、サハラ砂漠の行商で、現在は、アフリカ西部に旅立っているのだという。
砂漠では、遊牧民による襲撃の恐れがあるため、二人は海路を使い、回り込むことに。
アフリカ西岸の入港許可状が必要、必要名声合計:5000 ハメッドはシエラレオネで確認
この前提となる北海入港許可状は必要名声合計:2500(2007.5確認)必要
ついに、ハルーンの父・ハメッドを見つけたプレイヤー名たち。
彼はハルーンが生きていたことに驚き、できれば一緒に暮らしたいと、胸の内を明かす。
プレイヤー名とジュリアンは、彼の手紙を携え、ヴェネツィアへの帰途につく。
ハルーンの父の手紙を受け取るヴィットーリア。60000D入手。そこに当のハルーンが入ってくる。
一緒に行商をやって欲しいという父の意向を知った彼は、ヴィットーリアのサロンの一員であることを理由にこれを拒否。
ところが、ヴィットーリアは、契約の打ち切りを冷たく申しつけ、ハルーンを船に乗せるよう命じてしまう。
冒険名声100獲得
ヴィットーリアは、ハルーンの才能を知りつつも、彼の本心が両親の元へ帰ることにあることを見抜いていた。
そして、彼女自身、幼い頃に両親を亡くし、そのかけがえのなさを知っているからこそ、あえて突き放すことで、ハルーンの背を押したのだった。
「…なるほど。お互い望むならば…、ですか」
溜息をつくジュリアン。
ハルーンを見送るプレイヤー名たち。
ヴィットーリアの真意を察していた彼は、涙を流し、別れを惜しむ。
そして、パトロンであり姉のような存在でもあった彼女のもとへ、いつか戻ると約束。両親の待つアフリカの地へと旅立っていくのだった。
家族---。ハルーンの去った後、不意にジュリアンがつぶやく。
彼がヴェネツィアに来たのも、顔すら知らない母の肖像画を探すことが目的なのだという。ヴィットーリアはその絵の捜索を手伝うと約束する。
だが、そこにアルヴィーゼから、急な呼び出しがかかる。
部屋に入るなり、ジュリアンに、嫌疑の視線を向けるアルヴィーゼ。
彼の素性を調べた結果、出てきたのは、奇怪な経歴だったという。
パリで『宮廷の寵児』としてもてはやされ、数々の貴婦人たちと浮名を流し、彼に関わった貴婦人のうち、二人までもが、フランス王家への反逆の罪で起訴されているとのこと。
ジュリアンの直接関与も囁かれていたという。
すべて人聞きの悪い噂と退けるジュリアン。だがアルヴィーゼは、何の目的で妹に近づいたのかとジュリアンに詰め寄る。
一触即発の空気の中、突然、伝令が邸内に駆け込んでくる。
トルコが、イスタンブールで、大規模なガレー艦隊を建造し、本格的なヴェネツィア侵攻を企てているというのだ。
アルヴィーゼは、プレイヤー名にジュリアンが怪しい動きを見せたら報せるよう依頼。対策を協議すべく、公邸へと急ぐのだった。
10章:窮地の光明 †
9章終了後、航海日数30日以上の経過が必要
- あらすじ
トルコの侵攻の噂に怯えるヴェネツィアの街。
人々は政府に動きがないことを不安がっている。
オルセオロ邸へ赴くと、そこにはアルヴィーゼにトルコとの開戦を嘆願する、軍人たちの姿があった。
艦隊を与えてくれれば、必ず敵を蹴散らすと訴える軍人たち。だが、アルヴィーゼは、トルコの戦力をヴェネツィアの十倍と分析。
また、コショウ貿易の利権を握られているため、大局をわきまえない、無謀な戦は危険だと説く。
政府は、対トルコ戦に向けて、周辺国との連携を進めているので、しばらく待つよう説得する。
引き下がっていく軍人たちを見送った後、嘆息するアルヴィーゼ。
実際のところ、イスパニアやフランスといった、周辺国からの援軍は期待できず、ヴェネツィアとしても、手詰まりの状態なのだという。
そんなアルヴィーゼに、根を詰めすぎだと微笑むヴィットーリア。
彼女が持ってきたハルーンからの手紙には、彼の近況が綴られていた。
砂漠の遊牧民・ベドウィンが蠢動しているため、安心して旅もできないこと。
そして、これから、カイロを経て、陸路アラビアへと渡ること。
それを読んだアルヴィーゼの胸に、一つの秘策が浮かぶ。
それは、ベドウィンの首長ファイサルと連携し、トルコの後方を攪乱。ヴェネツィアへの侵攻を断念させる事だった。
更には、スエズの地を占拠し、ヴェネツィアの投資で運河を開削すれば、コショウ貿易の王座を、ポルトガルから奪還することも夢ではない――。
計画を実行に移すため、意気揚々と元首公邸へと向かうアルヴィーゼ。
それを見たヴィットーリアは、久々に覇気に溢れる兄の姿に喜ぶのだった。
11章:爛熱と頽廃の宴 †
10章終了後しばらく航海日数の経過が必要
衛兵前に商人・住民NPC出現
- あらすじ
無為無策な政府に代わり、トルコ海賊の取り締まりを徹底してほしい。
住民たちからアルヴィーゼへの嘆願書を託されたプレイヤー名。
それを受け取ったアルヴィーゼは、苦しげな顔。
トルコへの対抗策として、ベドウィンと連携する計画を議会で提議したものの、長老派の妨害で、頓挫しつつあったためだ。
長老派が提示した計画に賛同する条件は、イタリア半島に領土的野心を持つフランスと相互不可侵条約を締結することであった。
だが、フランスの国権を握る母后は、ヴェネツィアに対し、根深い敵意を抱いている。
ゆえに、条件を承諾する可能性は限りなく低い。
ヴィットーリアは兄の辛そうな姿に心を痛める。
そこにジュリアンがやってきて、自分が母后との交渉の橋渡しを引き受けると言い出す。
実は彼には、パリ宮廷時代に築いた、母后側近の貴婦人たちとの繋がりがあるという。
ジュリアンの素性を怪しむアルヴィーゼは、彼の同行を一度は拒否。
ヴィットーリアの説得で渋々受け入れるものの、プレイヤー名にも同行を要請する。
ジュリアンが怪しい動きを取らないか、見張ってほしいと言うのだ。
こうして、アルヴィーゼとジュリアン、そしてプレイヤー名の三人は、貴婦人たちに会うため、マルセイユへ出向くことに。
マルセイユに到着(30000D入手)し、婦人たちの待つ屋敷へと向かう一行。
「何があっても、決してご婦人の機嫌を損なわぬように」と微笑するジュリアンに、アルヴィーゼは不可解な顔をする。
そこに、貴婦人たちが入ってくる。
彼女たちは、母后への取り成しを頼むアルヴィーゼの言葉には耳も貸さず、色気むき出しで迫る。
たまらず、たじろぐアルヴィーゼ。
ジュリアンは、一同に夜通しの宴の始まりを告げる。歓喜する貴婦人たちをよそに、アルヴィーゼたちは、言葉を失うのだった。
夜が明け、宴が終わる。
アルヴィーゼは、精根尽き果てた様子でジュリアンに母后への取り成しを頼み、よろよろと屋敷をでていってしまう。
その頼りない後ろ姿に、ジュリアンが苦笑していると、先刻の貴婦人の一人が戻ってくる。
彼女が差し出したのは、通りがかりの男から託されたという、一通の書簡。
それを、友人からの他愛もない手紙だと語るジュリアン。
「じきに、母后が行幸してくるとの報せがあるでしょう」と言い残すと、急いだ様子でその場を立ち去ってしまうのだった。
12章:疑惑の謁見 †
数日後ヴェネチア交易所前のフランス商人か、マルセイユ酒場の商人か、住人に話しかけてスタート
- あらすじ
母后の夏の行幸先が、急遽、南仏に変更される。
そして、王族の行列がマルセイユの街にやってきた。
その壮麗な行列をプレイヤー名と共に眺めていたアルヴィーゼは、行幸先をも動かしてしまったジュリアンの手腕に舌を巻く。
アルヴィーゼはジュリアンに褒美を与えようとするが、彼はこれを固辞。
代わりに、オルセオロ家の先代・マウリツィオが集めていたという、秘蔵の美術品を見せてほしいと懇願する。
アルヴィーゼは躊躇しつつも、これを認める。
プレイヤー名とジュリアンを連れ、謁見に向かおうとするアルヴィーゼ。
だが、ジュリアンは、人と会う約束があると言い突然、立ち去ってしまう。
アルヴィーゼは、その無礼な態度に怒り、ジュリアン抜きで離宮へと向かう。
二人の前に現れた母后は、スエズ計画を「書生の夢物語」と評しつつも、アルヴィーゼの意気に感じ入り、条約締結を決意。
だが、調印前に、謁見の立役者であるジュリアンを連れてくるよう命じられてしまう。
アルヴィーゼから、ジュリアンを探してくるよう依頼されたプレイヤー名。
街の教会にて、ようやくその姿を見つけたとき、彼は隻眼の僧を相手に、こう語っていた。
「では、檄文事件を背後で動かしていたのは・・・」
しかし、僧はプレイヤー名の気配に気付くと、たちまち姿をくらましてしまう。
ジュリアンによれば、僧の名はオーギュスタンといい、孤児だった彼に、財宝探索家として生きる術を教えてくれた恩人なのだという。
だが、彼との謎めいた会話の詳細については、結局、はぐらかされてしまう。
離宮に戻ると、アルヴィーゼはジュリアンの顔色が冴えないことに気付く。
だが、これ以上、母后を待たせるわけにはいかないと、急いで謁見の間へと向かう。
母后は、会談を膳立てしたジュリアンとプレイヤー名に、恩賞を授ける。
(50000D入手)
その際、ジュリアンを間近で見た母后は、驚きの声をあげる。その顔が、古い知人にあまりに似ていたからだ。
その人物の名は、ヴェルニエ子爵夫人・マルグリット。二十年前に母后が輿入れした際、パリ宮廷で唯一親身になってくれた恩人なのだという。
母后は、ジュリアンに彼女の親戚なのかと問う。
だが、ジュリアンは、生まれてこの方、自分は天涯孤独の身だと微笑を浮かべるだけだった。
謁見が終わり、改めて事の真偽を確かめるアルヴィーゼ。だが、ジュリアンは一笑に付し、立ち去ってしまう。
すると、アルヴィーゼもまた、「帰還前に調べておきたいことがある」と言い、そそくさと離宮を後にするのだった。
(交易名声100獲得)
13章:拭えぬ曇り †
ヴェネ教会前スタート しばらく航海日数の経過が必要
- あらすじ
後日、プレイヤー名は、ヴェネツィアの街角で、ヴィットーリアと再会する。
彼女によれば、アルヴィーゼは、フランスから帰還して以来、なぜか亡父の書斎にこもるようになり、何かにつけて苛立ちを募らせているという。
ジュリアンへの態度も一層厳しくなり、最近では家からの追放まで促しているとのこと。
ヴィットーリアは、兄の変貌に心を痛めつつも、外交や政権争いで厳しい状況が続くゆえの苦しい胸のうちを思いやる。
そのとき突如、広場で強盗騒ぎが発生する。
強盗は港に係留したばかりのエジプト商船を占拠し、街から逃走を図る。だが、商船に同乗していた男が、これを難なく叩きのめしてしまう。
その男こそ、スエズ計画の鍵を握る男、ベドウィンの族長・ファイサルだった。
ヴィットーリアとプレイヤー名は、彼を連れ、オルセオロ邸へと向かう。
突然の来訪者に驚くアルヴィーゼ。
ファイサルは、スエズ計画への返答が遅れたことを詫びると共に、計画遂行にあたり、大きな障害があることを告げる。
それは、「預言者の代理人たる証」カリフの宝剣が、どうしても手に入らないことだった。
ベドウィン諸族の首長たちを決起させるには宝剣を手に入れ、スエズの支配者として、正統性を示すことが必要不可欠である。
だが、宝剣はエジプト・マムルーク朝が滅亡した際、何者かが持ち去ったまま、行方が知れないという。
ヴィットーリアは、自分たちが、その宝剣を探す手伝いをできないかと、プレイヤー名に持ちかける。
だが、アルヴィーゼは、国事に口出しをするなと厳しくたしなめ、政府の諜報員を派遣することを提案。ファイサルもこれを受け入れる。
懸念の宝剣探しへの協力が得られたファイサルは砂漠への帰途につくのだった。
別れ際、ファイサルはアルヴィーゼに問う。
「おぬし、迷いを抱えてはおらぬか?」と。眼光に、以前にはない曇りがあるというのだ。
アルヴィーゼは、計画遂行までに迷いを断っておくと約束する。
ファイサルは再会を誓い、ヴェネツィアを後にするのだった。
そこにアルヴィーゼの秘書官が駆け寄ってくる。
グラデニーゴが、アルヴィーゼの計画を無視し、トルコとの講和条約を準備しているというのだ。
講和の条件は、アドリア海沿岸のヴェネツィア領二都市をトルコに割譲すること。
もし、海洋王国のヴェネツィアが、アドリアの制海権を手放せば、没落は決定的になり、近い将来トルコの属国になることを免れない。
そう直感したアルヴィーゼは、プレイヤー名にひとまず別れを告げ、講和計画を阻止すべく、公邸へと駆けていくのだった。
14章:神に背いても †
ラグーザ真南、アドリア海域に入ってすぐ辺り(794,3055)にいる船に話しかけてスタート しばらく航海日数の経過が必要
- あらすじ
ヴェネツィアの商船が、キプロス沖でトルコ海賊に追われているとの話を聞いたプレイヤー名。
カンディア北で重ガレー×8と戦闘。戦闘せずに逃走してもイベントは進みます。
※重ガレーの強さは白兵ATK93程度。また、装甲をつけていない模様。一般的な重ガレーNPCよりは弱い。戦闘Lv19の軍人が8隻撃沈したら経験663名声94でした
現地へ向かうと、すでに商船は海賊たちにより、拿捕寸前の状況にあった。
プレイヤー名の助太刀により、商船は、カンディアへと逃げ込む。|
重症を負った商人は、プレイヤー名に、元首公邸に届けてほしいと、一通の書簡を託す。
その差出人は、イスタンブール駐在大使だった。
異変を察したモチェニーゴ官房長官は、プレイヤー名を首脳陣の会議が行われている議場の間へと通す。
50000D入手
書簡を受け取った元首は、顔面蒼白になる。
トルコが大型ガレー艦隊を完成させ、数ヶ月のうちに侵攻を開始する可能性があるというのだ。
グラデニーゴは、抗戦か講和かを投票で決めるべきだと主張。
政府の長老格の言葉には、元首でも抗うことができず、翌日の決選投票が決まってしまう。
戦闘名声100獲得
プレイヤー名を呼び止めたアルヴィーゼは、家の者に今日は帰れないと伝えるよう依頼。
講和案に投票せぬよう、委員たちの元へ最後の嘆願に出向くのだった。
議場での顛末を聞いたヴィットーリアは、兄の敗北を予感し、グラデニーゴらの仕打ちを嘆く。
そこに現れたのは、ジュリアンだった。
「力なき正義もまた無能なり」
そう言って取り出したのは、グラデニーゴ肉筆の書簡だった。ジュリアンは、そこから単語を抜き出し、巧みに筆写していく。
出来上がったのは、トルコに降伏後、グラデニーゴの地位が保証されるとの文書だった。
これを証拠に、グラデニーゴをトルコとの内通の罪で失脚させれば、アルヴィーゼが権力を握るのも夢ではないと語る。
だが、ヴィットーリアは受け取らない。
アルヴィーゼは、何があろうと陰謀などに頼らず正々堂々と国を救うと信じているためだ。
「それでこそ、私の見込んだパトローネです」
ジュリアンは、手紙の処分をヴィットーリアに委ね、出て行ってしまう。
残されたヴィットーリアの面貌には、普段は決して見せない、不安と苦悩の色が浮かんでいた。
しばらく航海日数の経過(約5日)が必要、元首公邸前スタート
後日、元首公邸の前に、人々が群がっていた。
夜警隊が、公邸内に大挙して入っていったというのだ。
そこに駆けつけてくるヴィットーリア。
決選投票に惨敗し、打ちひしがれた兄の姿に耐えられなかったと、慙愧の表情で語る。
そのとき、公邸から一発の銃声が響く。
公邸内では、夜警隊を率いたアルヴィーゼが、グラデニーゴに銃を向けていた。
冤罪を被せてまで、自分を追い落としにかかったかと、冷笑するグラデニーゴ。
アルヴィーゼは、その言葉を一笑に付し、夜警隊に逮捕を命じる。
グラデニーゴは、いずれ存分に礼をさせてもらうと言い、連行されていく。
アルヴィーゼは、自分に万一のことがあったら、代わりにヴィットーリアを守ってやってほしいとつぶやき、出ていく。
プレイヤー名に事の真相を告白するヴィットーリア。
挫折に苦しむ兄の姿に耐えられず、ジュリアンの偽造文書を見せてしまったというのだ。
すると、そこにジュリアンがやってきて、自らを責める理由など、どこにもないと諭す。
ヴィットーリアは、苦渋の表情で、ジュリアンとプレイヤー名に語る。
たとえ神に背こうと、自分は唯一の肉親であるアルヴィーゼの夢を守り抜くと。
ジュリアンは、いざというときはプレイヤー名と共に手を貸すと一方的に約束し、去っていく。
一方、権力を掌中にしたアルヴィーゼは、『通商五人委員会』を設立し、自らその委員長に就任。
対トルコ外交、スエズ計画について、小数の委員で迅速に意思決定する体制を、政府内に築いたのだった。
15章:宝剣を求めて †
しばらく航海日数の経過(約30日?)が必要
エマレッタは広場の交易所徒弟の前にいる
- あらすじ
ある日、プレイヤー名は、ヴェネツィアで、ヴィットーリアの侍女エマレッタと出会う。
彼女は、前日に、オルセオロ邸の財宝を所蔵している部屋で、泥棒らしき人影を見たという。
だが、人影は、ここ以外に考えられないと、つぶやくなり、姿を消してしまったとのこと。
興奮した様子で話すエマレッタを、アルヴィーゼが止める。彼は、事件について無闇に話さぬようエマレッタに厳命。
プレイヤー名には、依頼したい仕事があると言い、元首公邸への出頭を命じる。
元首から直々に命じられた任務とは、ある政府諜報員の行方を探すことだった。
「カリフの宝剣」を探すため、エジプトに諜報員を派遣したものの、その諜報員が、「宝剣の手がかりを見つけた」との報告を最後に、消息を絶ってしまったというのだ。
そこで、プレイヤー名は、まずアレクサンドリアに向かい、現地で情報収集を担当する商人と接触。
事件について、新しい情報が入っていないか、確かめることに。
出航しようとしたプレイヤー名を、ジュリアンが呼び止める。
彼は、自分も宝剣を一目見てみたいと、プレイヤー名の船に同乗する。
変装の必要は有りません
アレクサンドリアに到着すると、トルコの駐屯軍らしき軍隊が、どこかへ向け出発しようとしているところだった。
内地の巡察にしては物々しい雰囲気を、ジュリアンはいぶかしむ。
目的の商人と接触したプレイヤー名たちは、諜報員が最後に残した通信文を受け取る。
そこには、宝剣を探すため、これから現地民と共に、ナイル中流の古代神殿へ向かうと記されていた。
※ルクソール神殿に到達したキャラと艦隊を組む、もしくは【生者の街(チュニス-冒険者ギルド)】を取らないと先に進めない。
ナイル川中流上陸、ルクソール地方へ
ようやく到着した神殿遺跡には、諜報員らしき男の死体が転がっていた。
二人は東へ続くラクダの蹄の跡をたどってみることに。
すると、今度は地元民と思しき死体を発見する。
ジュリアンは、二つの死体についた傷が、あまりに鮮やかすぎることに気付く。
その傷が、手錬れの軍人の手によるものだと悟ったとき、二人はすでにトルコ軍の兵士たちに囲まれていた。
絶体絶命のそのとき、一筋の閃光が走り、トルコ兵たちは、声をあげる間もなく地に斃れる。
プレイヤー名の危機を察したファイサルが助けにきたのだ。
ファイサルに事の次第を説明していると、近くの石室から物音が響く。
神殿内部へ
石室には、諜報員に同行していた盗掘家が監禁されていた。
彼らは、宝剣の発掘に成功したものの、その直後トルコ軍の襲撃を受けて、壊滅。
宝剣は、生き残った彼の仲間が紅海沿岸のマッサワへ持って逃げたという。
だが、紅海への陸路は、トルコ兵が各地で警戒網を張っており、引き続きの追跡は困難とのこと。
そこで、まずは事件の顛末をアルヴィーゼに報告し、対応を協議することに。
100000D入手
トルコ軍も宝剣を追っているとの報告を受けたアルヴィーゼは、エジプトへの派兵を思い立つ。
だが、元首は、敵領内に兵を派遣しては、トルコが全面侵攻に踏み切ってしまうと、静止する。
これといった打開策が出ず、焦るアルヴィーゼの元に、伝令がやってくる。
長老派の庇護を受けていた商工業者たちが、グラデニーゴ釈放を求め、抗議集会を始めたというのだ。
アルヴィーゼは、苛立ちつつも、通商五人委員会に緊急招集を命令。
カリフの宝剣の件については、必ず打開策を見つけるとプレイヤー名に約束し、対策協議に出て行くのだった。
冒険名声100獲得
16章:誇り高き戦士 †
しばらく航海日数の経過が必要。元首公邸前の向かいの壁にヴィットーリア
- あらすじ
後日、プレイヤー名は、街角でヴィットーリアと再会。
彼女は、マッサワまで船に乗せていってほしいと懇願する。
あの後、アルヴィーゼは再び諜報員を派遣したものの、トルコ軍に阻まれ、宝剣を入手できなかったとのこと。
そのため、ヴィットーリアは、海路からマッサワを目指す策を提案した。だが、これも適任者がいないとの理由から見送られてしまったという。
そこで、かくなる上は男装し、自分でマッサワへ行こうと決意し、家を出てきたのだった。
だが、そんなヴィットーリアに、一人では危険だと声をかける者がいた。ジュリアンである。
彼は、以前に約束した通り、プレイヤー名と三人で宝剣を探しに行こうと提案する。
こうして、プレイヤー名とヴィットーリア、ジュリアンの三人は、宝剣を求め、マッサワへと旅立つこととなる。
長いアフリカ航路を経て、ようやくマッサワに到着した一行。
まずは、街で聞き込みをしてみることに。
だが、街の住民たちは、何かを隠している様子。
何の情報も入らず、途方に暮れていたところ地元の商人が声をかけてくる。
その商人によれば、街の住人たちは、よそ者に情報を漏らさぬよう、トルコ軍から口止めされているとのこと。
大金と引き換えなら、教えてもいいと持ちかけてくる商人。
その信用ならぬ雰囲気に、ヴィットーリアは躊躇するが、他に頼る者もいないと、ジュリアンが取引を了承する。
取引の際に、情報の代価として自分の髪飾りを差し出すヴィットーリア。
プレイヤー名とジュリアンに頼ってばかりの自分に、できることはこのくらいしかないからだと言う。ジュリアンは、その律儀さに苦笑する。
一向は、盗掘家が逃げ込んだという紅海の入口の草原へ向かうことに。
インド洋アフリカ東岸上陸
草原の近くの船着場に到着したプレイヤー名たち。だがジュリアンの姿が見当たらない。
商人に急かされ、二人はやむを得ず、その後をついていく。
商人は、盗掘家を呼びに行ってくるといって、草原の奥地へ。
だが、彼が引き連れてきたのは、盗掘家ではなくトルコ軍の兵士たちだった。端から、プレイヤー名を売り渡す魂胆だったのだ。
ヴィットーリアを連れ去ろうとする商人。だが、その眼前にアフリカの戦士が立ちはだかる。
その背後には、この地に住む異形の動物・象を連れていた。
トルコ兵は、象の巨体の前に、為す術もなく蹂躙されてしまうのだった。
ヴィットーリアは、助けてくれた戦士に礼を言うが、彼は遅れて駆けつけたジュリアンを凝視したまま、返答すらしない。
ヴィットーリアが戸惑っていると、そこに突然、懐かしい声が響き渡る。家族の元に帰ったはずのハルーンだった。
彼の属する隊商が近くを通っていたところ、用心棒の戦士・オグンが突然駆け出した。
そこで、その後を追ってきたところ、プレイヤー名たちに遭遇したのだという。
ハルーンの頼みで、プレイヤー名は、彼の隊商を乗せ、モガディシオまで向かうことに。
17章:災禍の奔流 †
- あらすじ
モガディシオの休憩所にて、ハルーンとオグンにここへ来た理由を説明するプレイヤー名たち。
すると、オグンが、以前に宝剣を持って逃走中の盗掘家を護衛したことが判明する。
すでに盗掘家は、どこかへ旅立ち、行き先も知れないとのこと。だが、彼は別れ際、オグンに一本の剣を託していた。
実は、それこそが、捜し求めている「カリフの宝剣」だった。
オグンは、宝剣を「母なる大樹」の根元に埋めてきたとのこと。
それは、宝剣に絡みつく無数の「欲望」を、大地の力で清めようとする、彼なりの儀式だという。
そこまで聞いたところで、突然、ジュリアンが席を立ってしまう。
オグンの手を借りるまでもなく、自分たちだけで宝剣を探せるというのだ。
オグンを突き放すようなジュリアンの態度にヴィットーリアは困惑する。
いつまで経ってもオグンが港に現れないため、ハルーンが呼びに行く。
しかし、その後は、街のどこにも見当たらない。
一行はやむなく、オグンを置いて出航する。
インド洋アフリカ東岸、南西の大きな木(続いて戦闘となるため戦艦に乗り換え推奨)
広大な草原を踏破し、一行はようやく「母なる大樹」を発見。
ジュリアンはさっそく、掘り返した形跡がある箇所を見つけ出し、発掘を開始する。だが、宝剣は一行に出てこない。
焦る一行に、探し物はここだと声がかかる。
先回りしていたオグンの手には、すでに宝剣が握られていた。
オグンは、ジュリアンが邪魔者たちを消したあと宝剣を一人で手にするつもりだったのだと語る。
呆気にとられる一同。ジュリアンは、その言葉を一笑に付す。だが、オグンはひるまず続ける。
プレイヤー名とヴィットーリアがトルコ軍に襲われていたとき、ジュリアンは二人を見殺しにしようとしていたというのだ。
そのとき、あたりに口笛が響き渡る。
プレイヤー名たちを発見したトルコ軍がすでに周囲を取りかこんでいた。
ひとまずジュリアンへの追及を中断したオグンは手にした宝剣を振るい、血路を開く。
なんとか船着場まで逃げ切った一行。だが、眼前には、トルコ軍のガレー艦隊が待ち構えていた。
敵船に切り込もうとするオグンに、ジュリアンは自分の船を出そうと申し入れる。
着せられた汚名をそそぎたいというのだ。
オグンは、ジュリアンをひとまず信用し、その船に乗り込んで出航。
だが、たった一隻では戦力不足は否めない。
プレイヤー名たちは、加勢に向かうのだった。
重ガレー×4と戦闘
戦闘名声150獲得
名工の大工道具14獲得
何とか勝利したプレイヤー名たちは、モガディシオへ戻ることに。
18章:Au revoir(オルヴォワール)(さようなら) †
- あらすじ
モガディシオに到着するなり、ジュリアンはオグンに宝剣を渡すよう要求。だが、オグンはジュリアンを信用せず、宝剣をプレイヤー名に託す。
立ち込める険悪な空気をはらおうと、ハルーンは隊商の幕舎に泊まっていくよう提案。
一同は、出発の別れを前に、最後の宴を楽しむのだった。
モガディシオ東門スタート
翌日、プレイヤー名が起床したころ、隊商はすでに次の街に向かう準備を終えていた。
ヴィットーリアとの別れを惜しむハルーン。彼はサロンには戻らず、両親と共に行商人として生きようと、心に決めていた。
そのことを後ろめたく思っているハルーンに、ヴィットーリアは、自分のしたいことが見つかったのは素敵なことだと、喜んで見せるのだった。
ハルーンとオグンが去った後、出港準備を終えたジュリアンが戻ってくる。
彼は、最後までオグンの誤解を解けなかったのが心残りだと語り、ヴィットーリアと共に、港へと向かう。
プレイヤー名も、出発しようとしたそのとき、背後から呼び止める声がする。
振り返ると、出発したはずのハルーンが、息急いて戻ってきていた。
どうしても伝えておきたいことがあるというハルーン。実は、彼もオグンと同様に、草原で木の陰に隠れていたジュリアンの姿を見ていたのだ。
しかし、恩人であるジュリアンが、ヴィットーリアを見殺しにするなど信じられず、どうしても言えなかったという。
「もし、ジュリアンが本当に何かを企んでいるとしたら、ヴィットーリアを守ってやってほしい」
ハルーンはプレイヤー名に嘆願すると、再会を約して去っていく。
エメラルド50個入手
こうして、ジュリアン、ヴィットーリア、プレイヤー名の三人は、それぞれの思いを胸にヴェネツィアへの帰途につくのだった。
ようやく、ヴェネツィアに到着した一行。
ヴィットーリアは、プレイヤー名とジュリアンに約束していた謝礼を支払うと、アルヴィーゼに宝剣を届けるべく、オルセオロ邸へと向かう。
300000D入手
冒険名声200獲得
無事に戻ってきたヴィットーリアの姿に、アルヴィーゼは驚きの表情。
カリフの宝剣を見せると、プレイヤー名が同行したおかげで、ヴィットーリアがジュリアンの手にかからずに済んだと感謝する。
まだ、ジュリアンを疑っているのかと抗議するヴィットーリア。それを遮るように、アルヴィーゼはこう言い放つ。
「こやつは、オルセオロ家を破滅に導くため、現れた男だ。すでに、調べもついている。いい加減正体を見せるがいい。ジュリアン・クラレンス。
・・・いや、ヴェルニエ子爵夫人・マルグリットの息子よ」
ジュリアンを逮捕すべく、夜警隊が踏み込む。
だが、ジュリアンは恐れる様子もなく、自分が何をしたのかと飄々と問い返す。
暴挙ともいえる兄の行いを諌めようとするヴィットーリア。だが、アルヴィーゼは、エマレッタに命じ、ヴィットーリアを部屋から追い出してしまう。
逮捕を命じようとするアルヴィーゼ。ジュリアンは口元に不適な微笑をたたえ、こう言う。
「あの絵を隠すだけでは飽き足らず、今度は私を捕らえようとする・・・。血はあらそえぬということですね。失望しましたよ。ムッシュー・オルセオロ」
言い終えるや否や、ジュリアンの手元から怪しげな煙が立ち昇る。インディアスの民が、密議に用いる眠り薬の煙だった。
煙を吸い込み、倒れるアルヴィーゼに、ジュリアンはこう語る。
「どうかご安心を。この煙は、あなたの命までは奪いません。あなたには、これより幕が開ける、最後の喜劇の舞台に、主役としてお立ち頂かねばならぬのですから」
遠ざかる意思の中で、プレイヤー名は、ジュリアンが去り際に残した言葉を聞く。
Au revoir, mes cheres amis.
(さようなら また会う日まで。我が親愛なる友人たちよ―)
数刻の後、ようやく気がついたプレイヤー名。
ヴィットーリアは、ジュリアンが宝剣を盗んで逃げたという話が信じられない様子。
プレイヤー名に、ジュリアンとアルヴィーゼの間に何があったのかと問う。
すると、アルヴィーゼが入ってきて、ジュリアンが捕らえられるまでは、屋敷から一歩も出ぬよう厳命する。
ヴィットーリアは、反論しようとするが、兄のいつになく悲しげな顔に、思わず言葉を飲み込んでしまう。
ヴィットーリアが出ていった後、アルヴィーゼはプレイヤー名に、今日見たことの一切は他言無用だと釘を刺す。
そして、自分の罪は、いずれトルコとの戦いに決着がついた日にプレイヤー名の手で糾してほしいと言い、一人屋敷を出ていくのだった。
19章:最後の喜劇 †
しばらく航海日数の経過が必要。
ヴェネツィアの教会前の商人X2にて開始
- あらすじ
後日、プレイヤー名は、アルヴィーゼが「海の総司令官」に就任するとの噂を聞く。
海軍の全権を担う、この役職につくということはヴェネツィアがいよいよトルコとの海戦に踏み切ることを意味する。
住民たちは一抹の不安を感じつつも、新しい総司令に期待を寄せる。
しかし、そんな人々の期待とは裏腹に、当のアルヴィーゼは焦りに駆られていた。
ベドウィンとの連携の鍵を握る宝剣は、いまだジュリアンに奪われたまま。
そんな中、長老派は、トルコの最後通牒に乗じ、講和案を復活させようと画策。
今回の総司令就任は、長老派への牽制とトルコに対する強硬姿勢表明のため、苦慮の決断だったとのこと。
しかし、口さがない人々は、アルヴィーゼの栄転を妬み、「独裁者」「ヴェネツィアのメディチ」と中傷する。
苦悩するアルヴィーゼを、ヴィットーリアは懸命に励ます。
アルヴィーゼは、プレイヤー名に就任式の式典に参列するよう要請。
ヴィットーリアは、家にとって大切な「晴れの舞台」なのだから、自分も参加したいとせがむ。
すると、アルヴィーゼはその言葉に、ジュリアンが宝剣を盗み出してい際に残していった一言を思い出す。
「あなたには、これから幕が開ける、最後の喜劇の舞台に、主役としてお立ち頂かねばならぬのですから」
ジュリアンは必ず就任式に現れる。
そう直感したアルヴィーゼは、夜警隊に厳戒体制を敷くよう命じ、屋敷を出ていく。
不安に駆られたヴィットーリアは、プレイヤー名に、二人の対決を止めて欲しいと懇願するのだった。
元首公邸で、就任式に参列したプレイヤー名。
厳粛な雰囲気の中、式典は執り行われ、アルヴィーゼは元首から、海軍の元帥杖を受け取る。
広場での警備について、再度打ち合わせたアルヴィーゼは、集った群集に誓いを立てるため、公邸のテラスへと向かうのだった。
新たな「海の総司令官」誕生に熱狂する群集。
アルヴィーゼが、歓声に応じようとしたとのとき突如、サン・マルコの鐘楼から、無数の紙片が舞い降り、手にした住民たちは、一斉にどよめく。
それは、アルヴィーゼがグラデニーゴを偽造文書によって逮捕したことを告発する怪文書だった。
「O家の長男A、委員長に就任せしとき、偽りの証拠を以て、G前委員長を迫害せり。
Aの父、O家先代Mもまた、パリ駐在大使たりとき、私欲を満たすため、無辜の子爵夫人を罪人に仕立てり。
己が栄達のため、罪を作り出すこと。これ、O家の呪われし血の為せる業なり」
アルヴィーゼは、文書を撒いた者を捕らえるよう命じる。
だが、鐘楼に夜警隊が踏み込んだとき、犯人の姿はすでに消えており、就任式は、大混乱のうちに幕を閉じてしまう。
一方、これを契機と見た長老派議員たちは、グラデニーゴの疑惑について、再調査を要求。
アルヴィーゼは、権力の頂点から一転絶体絶命の窮地に立たされてしまうのだった。
20章:命の代償 †
しばらく航海日数の経過が必要
サン・マルコの鐘楼下にて開始
- あらすじ
再びヴェネツィアの街を訪れたプレイヤー名。
街は怪文書の真偽についての噂で持ちきりになっていた。
人々は、口々にオルセオロ家を罵り、アルヴィーゼのみならず、ヴィットーリアまでもが好奇の目に晒されていた。
そんな中、グラデニーゴが釈放され、人々の前に姿を現わす。
グラデニーゴは、陰謀の被害者として住民たちにアルヴィーゼの非道を訴える。
これにより、人々はアルヴィーゼの陰謀が事実であったと確信。
オルセオロ家の前で、抗議行動を開始する。
アルヴィーゼは罪を認めろ、ヴィットーリアは享楽趣味をやめろ、と叫ぶ住民たち。
すると、そこにヴィットーリアのサロンの画家が駆けつけ、住民たちを追い払う。
画家は、住民たちの掌を返したような態度に困惑している様子。
ヴィットーリアは、仕方ないのよ、とつぶやき、プレイヤー名を屋敷へと招くのだった。
彼女は、サロンを解散し、美術品をすべて手放すことを決心していた。理由は二つあった。
ひとつは、自分の贅沢のせいで、これ以上、アルヴィーゼの立場を悪くしないがため。
そして、もうひとつは、グラデニーゴがアルヴィーゼの命を奪わずにおく代償として、美術品の供出を求めてきたためだった。
自分のちっぽけな憧れを捨てるだけで、アルヴィーゼの命が救える、と自らに言い聞かせるように語るヴィットーリア。
画家はその言葉に激昂するが、ヴィットーリアの目に深い悲しみを見て、思わず言葉を飲み込む。
そして、いずれサロン再開の折は必ず戻ってくることを誓い、出て行ってしまう。
悲しみに暮れるヴィットーリアの元に、美術品を引き取りに管財人がやってくる。
ヴィットーリアは、美術品に最後の別れを告げるため、収蔵庫へと向かう。
プレイヤー名を伴ったのは、彼女一人では、別れのつらさに耐えられないためだった。
美術品のひとつひとつを懐かしげに眺め、幼い頃の思い出を語るヴィットーリア。
最後に、最も好きな品であるという、父・マウリツィオがフランスから持ち帰った聖母子画の前へ向かうが、
その絵は、かかっていたはずの場所に見当たらない。
どこに行ったのかと訝しむが、そこに管財人の声がかかる。
すでに運び出しにかかる時間だった。
美術品を満載した馬車は、グラデニーゴの屋敷へ走り出す。
それを見送った、ヴィットーリアは、傍にいてくれたプレイヤー名に深く感謝。
そして、こんなときだからこそ、自分がアルヴィーゼを支えなければと、つとめて明るい表情を作り、屋敷へと帰っていく。
そんな彼女の姿を、運河の向こう岸から眺める男の姿には、まったく気づくことなく−−。
21章:沈黙の出征 †
しばらく航海日数の経過が必要
ヴェネツィア出航所から
- あらすじ
後日、ヴェネツィアの街は、相変わらずアルヴィーゼの疑惑の噂で持ちきりだった。
そんな中、グラデニーゴが自ら住民たちの前に立ち、事件の判決について、説明を始める。
「公安は怪文書の内容については、事実として認めたものの、偽造文書の出所は不明。
そのため、あの一件はあくまでアルヴィーゼの誤認逮捕としその公職は今後も保障する」
ヴィットーリアが取引に応じたため、グラデニーゴが公安に手を回し、処分を軽くしたのだ。
だが、それを知らぬ住民たちは、アルヴィーゼへの不信をますます強める。
すると、グラデニーゴは、すかさずオルセオロ一党の暴挙は、自分たち長老派が阻止すると誓約。
住民たちの支持を集めるのだった。
プレイヤー名がオルセオロの屋敷へ向かうと、そこには虚ろな表情のヴィットーリアがいた。
彼女によれば、アルヴィーゼは、独断でトルコと戦った愚か者として処刑されるのだという。
聞けば、グラデニーゴが、トルコの廷臣にファイサルが反乱を企てていると密告。
放っておけば、ファイサルの命はないと脅迫したという。
だが、これは明らかに罠だった。
政府の援助なく少数の手勢のみで戦うアルヴィーゼが、トルコ軍に勝てるわけがないからだ。
しかも、彼ら一党が殲滅されれば、グラデニーゴは自らの手を汚さず、政権を掌握できる。
だが、アルヴィーゼは、そんな罠を知りつつも、友の命と、ヴィットーリアの命を守るため、出征してしまったのだという。
アルヴィーゼが、一人でも多くの敵を道連れに、死ぬつもりであることは、明らかだった。
ヴィットーリアは、もはやどうにもならない兄の運命を嘆く。
そのとき、侍女のエマレッタが部屋に駆け込んでくる。
彼女が持ってきたのは、窓に挟んであったという一通の書簡。
それは、アルヴィーゼが隠した聖母子画と交換で宝剣を返したいという、ジュリアンからの手紙だった。
交換場所はボルドーの教会とのこと。
ヴィットーリアは、今はジュリアンの言う通りにする以外に方法はないと判断。
一緒にアルヴィーゼの艦隊を追いかけてほしいとプレイヤー名に懇願するのだった。
22章:勝ち、生き残るために †
- あらすじ
まずは、アルヴィーゼがファイサルと合流したであろう、エジプトへと向かうプレイヤー名とヴィットーリア。
アレクサンドリア休憩所
現地で、ファイサルが少数のベドウィン部族を率いて決起し、ヤッファの城砦を襲撃したとの噂を聞き、現地へと急ぐ。
ヤッファに到着した二人。
アルヴィーゼは、ファイサルと共に、街のモスク跡で作戦を打ち合わせているという。
だが、行ってみれば、ファイサルにヤッファから退去するよう説得しているところだった。
ハイレディン率いる艦隊に包囲されれば、この街に立てこもる軍は、ことごとく殲滅されてしまうことは目に見えていた。
それゆえ、ベドウィン兵には、戦線を離脱し、生き長らえてもらいたいというのだ。
その一方、アルヴィーゼ自身は、トルコ艦隊に奇襲を仕掛け、一矢を報いて死ぬつもりだという。
自分が宝剣を失わなければ、このような事態に至らなかったという、自責の念ゆえの決意だった。
そこにプレイヤー名とヴィットーリアが入ってくる。
ヴィットーリアは、アルヴィーゼにジュリアンからの手紙を見せ、彼が亡き母の形見である聖母子画をどこに隠したのか問う。
アルヴィーゼは、手紙に書いてあることはすべてでまかせに過ぎない。
ジュリアンの母のことも自分はなにも知らないと、否定を繰り返すばかり。
しかし、ヴィットーリアは引き下がらない。
なぜなら、就任式で撒かれた、オルセオロ家についての怪文書にこうあったからだ。
「Aの父、O家先代Mもまた、パリ駐在大使たりしとき、私欲を満たすため、無辜の子爵夫人を罪人に仕立てり」
また、アルヴィーゼがジュリアンを捕らえようとした際、ジュリアンを「ヴェルニエ子爵マルグリットの息子」と呼んでいた。
ヴィットーリアは、ジュリアンの行動は、父マウリツィオとジュリアンの母の間にあった、何らかの過去の因縁によるものと察していた。
だが、アルヴィーゼは、知ったところでどうにもなることではないと、硬く口を閉ざしたまま。
この件は、オルセオロ家の家長である自分の手で決着をつけねばならないと、改めてヴィットーリアに、手紙を渡すよう求める。
すると、ヴィットーリアは、悲しげな表情でこう返す。
「なんでお兄様は、そうやってすべて一人で抱え込もうとするの…?」
アルヴィーゼが、この戦いで死んだとしても、なにもならない。
むしろ、ヴェネツィアの民は、トルコの支配下で路頭に迷うことになる。
ヴィットーリアは、今為すべきことは無駄死にすることではなく、勝って生き残ることだと説く。
一瞬困ったような顔をしたアルヴィーゼは、二人についてくるよう言って、廃院を出て行く。
ファイサルに港湾周辺の守りを固めておいてほしいと依頼するアルヴィーゼ。
彼は、すでにヤッファを拠点にトルコ艦隊を迎撃することを決意していた。
ファイサルは、どのみち、退去令など無視し、防備を固める腹積もりだったと語る。
アルヴィーゼはその頼もしい言葉に深く感謝すると、プレイヤー名にファマガスタの教会までついてくるよう、命じるのだった。
23章:呪われし血の宿縁 †
ファマガスタ教会にて
- あらすじ
ファマガスタの教会に着いた一行。寄贈された聖母子画を前に、アルヴィーゼは言う。
この絵は、オルセオロ家が犯した大罪の証。
父が死んで十年、何度も焼き捨てようとしたが、ついに果たせなかった絵だ、と。
その絵にまつわるジュリアンとの因縁は、二十年ほど前、彼の父マウリツィオが企てた陰謀に端を発していた。
当時、フランス国王のイタリア半島征服の野心に怯えていたヴェネツィア政府は、パリ駐在大使だったマウリツィオに、遠征を阻止せよと命じた。
折りしも王都パリは、新教徒の手により、教会の腐敗を糾弾する文書が街に張り出される事件、すなわち「檄文事件」の渦中にあった。
この事件を利用することを思い立ったマウリツィオは、貧しい印刷工の娘を宮廷に送り込み、複製した檄文を、国王の寝室に貼らせた。
策はまんまと成功し、国王はパリから新教徒を一掃するよう命令。フランスは内乱状態となり、遠征計画は立ち消えとなった。
だが、この事件の背後に何者かの陰謀を読み取ったパリ高等法院は、捜査員を派遣。追及の手は、マウリツィオの近くに伸びていた。
それを逃れるため、マウリツィオは更なる陰謀を企てる。
当時、彼は赴任先のパリで、宮廷女官の未亡人・ヴェルニエ子爵夫人マルグリットを愛人とし、子まで作っていた。
その幼子こそが、後のジュリアン・クラレンスだった。
聖母子画は、夫人がジュリアンと自分をモデルに密かに描かせたものだという。
この夫人との関係は、元よりマウリツィオにとって、危険極まりないものだった。
なぜなら、宮廷女官である彼女との関係が表沙汰になれば、彼はフランスとの内通を疑われ、更迭されてもおかしくなかったからだ。
そのため、マウリツィオは、懇意の法務官を篭絡し、こう吹き込んだ。
国王の寝室に檄文を貼った真犯人は、ヴェルニエ子爵夫人である、と。
たちまち、夫人は逮捕され、ろくな裁きもなく、火刑に処されてしまう。
こうして、望まれぬ子であった幼いジュリアンは母を失い、身元不明の子として、修道院に預けられる。
一方、彼ら母子を切り捨てたマウリツィオは、己の罪の証である聖母子画を携え、祖国の妻と子の元へ帰還したのだった。
そして、彼が栄誉の中、その生涯を閉じた二十年の後、ジュリアンはオルセオロ家の前に現れた。
すべては、自らの呪われた血の宿縁に決着をつけるために−−。
亡き父の罪深い過去。そして、ジュリアンが異母兄だったという衝撃の事実に、ヴィットーリアは愕然とする。
アルヴィーゼはヴィットーリアに、すべてを知ってもなお、ジュリアンに会う覚悟はあるか問う。
長い沈黙の後、ヴィットーリアは静かに答える。
すべてを知った今だからこそ。同じ血が流れているとわかった今だからこそ、なおさら会わなければいけないのだた、と。
アルヴィーゼは、その言葉に深く共鳴し、ヴィットーリアに聖母子画を託す。
そこにアルヴィーゼの部下がやってくる。味方の斥候隊がトルコ軍の艦影を発見したというのだ。
「もしヴィットーリアの身に危険が迫ったときは守ってやってほしい」
一人の兄として切なる願いを述べたアルヴィーゼは、迎撃のため、ヤッファへの帰途につくのだった。
冒険名声200獲得
24章:最期の願い †
ボルドー教会にて
- あらすじ
ボルドーの教会に着いたプレイヤー名とヴィットーリア。
そこにジュリアンが現れる。
約束通り、兵を連れずに来たことを褒める彼の手には、カリフの宝剣が握られていた。
ヴィットーリアから聖母子画を受け取ったジュリアンは、宝剣を差し出すかに見えた。
だが、その刹那、彼はそれを鞘から抜き、ヴィットーリアの胸元に突きつける。
「こうして再び、あなたを裏切るような真似、どうかお許しを。しかし、これも我が身体を流れる血の定めゆえ…」
だが、ヴィットーリアは微動だにしない。
すでに命を投げ出す覚悟をしていたためだった。ヴィットーリアは、自分の命と引き換えとして、最後の願いを持ちかける。
自分が死んだ後、宝剣をプレイヤー名を通じ、アルヴィーゼに渡してほしい、と。
戦いが終われば、アルヴィーゼも自分と同様、命を差し出すはずだと言うヴィットーリアの言葉をジュリアンは、一笑に付す。
だが、ヴィットーリアは言う。
アルヴィーゼは、父の過去を少なからず知っていた。だからこそ、自らの血に逆らうように、正反対の人生を歩もうとしていた。
せめて、トルコとの戦いが終わるまでは、その生き方を全うさせてほしい、と。
だが、ジュリアンは表情を変えることなく、剣を構える。観念し、目を閉じるヴィットーリア。
だが、振り下ろされた宝剣は、ヴィットーリアを斬ることなく、鞘に収められる。
ジュリアンは、自らに言い聞かせるように、こうつぶやく。
「あなたがたが証を立てるところを見てみたいのかもしれません。私の身体に流れるオルセオロの血が、果たして生きるに値するのかを…」
だが、そのとき聖堂に一人の男が入ってくる。
以前、マルセイユの教会にて、ジュリアンと密会していた、オーギュスタンという神父だった。
「肉親の情にほだされたか」
吐き捨てるように言ったオーギュスタンは、ジュリアンから宝剣を奪い取ると、ヴィットーリアに短銃を向ける。
だが、引き金を引いた瞬間、ジュリアンがその前に立ちはだかり、凶弾に倒れる。
ヴィットーリアの悲鳴を聞き、オーギュスタンの手下たちが入ってくる。
なにがあったのかと尋ねる彼らに、オーギュスタンは冷然と言い放つ。
「…ただ、『猟犬』を一匹、天に送り出しただけのこと。穢れた血に逆らえず、『組織』に背いた愚かな『猟犬』をな−−」
オーギュスタンは、部下にプレイヤー名とヴィットーリアの始末を命じ、出て行く。
部下たちが、ヴィットーリアを手にかけようとしたそのとき、倒れていたジュリアンが、かすれた声で、二人に逃げるよう促す。
彼の手元からは煙が立ち上っていた。
それを見た手下たちは、毒草の煙だと恐れおののき、蜘蛛の子を散らすように逃げ去ってしまう。
ジュリアンは、この煙が干し草を使った虚仮脅しであると自白すると、再び床に倒れこむ。
腹部から、ひどい出血をしていた。
ヴィットーリアは、プレイヤー名と共に、街へ医者を探しに出るのだった。
25章:Le Chien de meute(猟犬) †
- あらすじ
幸い、街には名医として名高いパレの屋敷があった。パレの外科手術で、ジュリアンはなんとか一命を取り留める。
ヴィットーリアは、オーギュスタンが持ち去った宝剣を取り戻すには、ジュリアンの回復を待ち、居場所を聞くしかないと語る。
そのとき、奥の寝室から、物音が響く。
駆け込むと、絶対安静のはずのジュリアンが立ち上がろうとしていた。
一人、オーギュスタンのところへ向かおうとするジュリアン。プレイヤー名とヴィットーリアは、オーギュスタンが何者なのかを尋ねる。
だが、ジュリアンは口を閉ざしたまま。
ヴィットーリアは、自分たちもオーギュスタンと会うという目的は同じだと諭す。
ジュリアンは重い口を開き、その過去について語りだす。
彼の育ての親であるオーギュスタンは、新教徒の過激派を名乗っているが、その実は盗賊団の首領だという。
彼は二十年前、高等法院の捜査官として、「檄文事件」の捜査を担当していた。
だが、何者かの隠蔽工作により、捜査は中断され彼は更迭。その直後、刺客に襲われてしまう。
なんとか生き延びた彼は、自分を切り捨てたフランス王家に復讐を果たすため、盗賊団を組織。
新教徒の過激派を騙って、旧教の街を襲うなど、国内の宗教対立を煽る活動を続けていた。
そんな中、オーギュスタンは「檄文事件」の犯人として死んだ貴族夫人の隠し子が生きているとの噂を聞く。
彼は、ジュリアンを修道院から引き取ると、徹底的な教育を施し、「檄文事件」の真相究明のための尖兵として育成。
フランスの社交界に送りこみ、事件の関係者たちを探しだして、始末していった。
そして、ついに事件の黒幕がオルセオロ家であったことを突き止めると、あえてその血を引くジュリアンに復讐を命じたのだった。
すべてを語り終えたジュリアンは、怪我を押し、オーギュスタンの元への案内を買って出る。
オーギュスタンが向かっているのは、彼がインディアスの地に築いた砦とのこと。
彼はそこに、宗教対立で、祖国を追われた新教徒たちを受け入れ、いずれフランス王家と戦うための私兵として組織しているのだという。
アスクレピオスの薬湯10獲得
一行は、その砦があるカイエンヌと呼ばれる地へ向かうのだった。
カイエンヌに到着した一行。
ジュリアンは、プレイヤー名を伴い、オーギュスタンの所在を探りに向かう。
砦にいた手下に尋ねると、フランスからの帰りがけに、サントドミンゴ沖でフランス海軍を装い、イスパニアの輸送艦隊を襲っていることが判明。
フランス王家を外交的に孤立させるための工作だという。
プレイヤー名の船でサントドミンゴ沖へ向かうと、そこにはたしかにフランス海軍を装う、オーギュスタンの艦隊がいた。
ジュリアンが生きていることを知ったオーギュスタンは、攻撃を命じる。
戦闘用ガレオン×5と戦闘
白兵:突撃、防御、戦術。砲撃:水平。前回と違いジュリアンは砲撃思考なので彼に任せていては終わりません
大型ガレオンクラスならば船尾楼X2などで十分拿捕できます
だが、プレイヤー名の活躍により、見事返り討ちに。
短艇で脱出したオーギュスタンは、サンドドミンゴの港へ逃げ込む。
戦闘名声250獲得
名工の大工道具14獲得
街中に血痕を見つけた一行は、その後を追って郊外の森へ。
だが、森に足を踏み入れたところで、隠れていたオーギュスタンが飛び出し、ヴィットーリアを人質にとる。
「昔から汝にあれほど教えていたではないか。敵を追い詰めた時こそ、最も己に油断が生じやすい時だと…」
船へ案内するよう命じるオーギュスタン。
だが、ジュリアンは、その眼前に立ちはだかり、彼が自分を『猟犬』と呼んだことに触れ、こう問いかける。
「私はこれまで、あなたを師として、親として慕って参りました。しかし、私はしょせん、あなたの復讐心、そして野心を満たすための道具に過ぎなかった。
あなたはそうおっしゃるのですか?」
だが、オーギュスタンは、口元に冷淡な笑みを張り付かせたまま、こう答えるのだった。
「…愚問だな。拾い上げたときより汝は、我が使命を為すための『猟犬』。
穢れたオルセオロの血を持つ汝にここまでの恩を施したのも、その牙があってのことだ」
その牙すら失った今、生きる価値もない。
オーギュスタンがあざけり笑おうとした、そのとき、不意の銃声が響く。
ジュリアンが相手の虚を突き、懐の短銃を撃ったのだ。
それは、かつてオーギュスタン自身が彼に授けた殺人術だった。
胸を貫かれ、もの言わぬオーギュスタンの骸に、ジュリアンは悲しみに満ちた目でつぶやく。
「もし、ただ一言でも、あなたが私を息子として愛しているとおっしゃってくれたのなら…。
きっと私は引き金を引くことなど、できなかったでしょう」
取り戻した宝剣を、プレイヤー名とヴィットーリアに託すジュリアン。あなたがたの戦を見届けさせて頂くと言い、二人に別れを告げる。
ヴィットーリアは、引き止めようとする。
だが、ジュリアンは、まだ血の宿縁に従うべきかあるいは従わざるべきか、迷っていると言い残し走り去ってしまうのだった。
26章:遥か宿願叶う日 †
- あらすじ
プレイヤー名とヴィットーリアは、アルヴィーゼが戦うヤッファへと急ぐ。
ヤッファ沖に到着すると、まさにアルヴィーゼがトルコ艦隊を相手に、激戦を繰り広げているところだった。
重ガレー×10と戦闘、撤退or敗北でもイベント進行
重ガレー120人乗りATK105DF90。白兵:轟音弾、砲撃:弾道・速射
(勝利時?)名工の大工道具16獲得
その戦火をかいくぐり、無事入港すると、ちょうど、アルヴィーゼとファイサルも帰投したところだった。
彼らは、トルコ艦隊の動きを訝しんでいた。攻めてきても遠方から砲撃ばかり。
あれが本当に、かの海賊王ハイレディンに率いられた艦隊なのか、と。
久々に兄との対面を果たしたヴィットーリアは、宝剣を差し出す。
ファイサルは、これで決起を躊躇していた首長たちも、力を貸すに違いないと喜ぶ。
アルヴィーゼが二人に感謝すると、ヴィットーリアは、ジュリアンが自分の血の宿命を受け入れるに値するか、
確かめたいと言って宝剣を返してくれたことを伝える。
アルヴィーゼは呆れたような顔をしつつも、宿命など、己の心の持ち様で変えられるものだと、
同じ宿命に翻弄された者として、ジュリアンの胸中を思いやるのだった。
200000D入手
冒険名声300獲得
宝剣は無事入手できた。
次なる問題は、ベドウィン首長たちをいかにこの地へ呼び寄せるかだった。
ファイサルは、自分が直接宝剣を見せ、説き伏せねば、立ち上がるまいとし、カイロへ向かうことを決意。
プレイヤー名に船を出してほしいと願い出る。
プレイヤー名が、ファイサルと共に出航しようとすると、そこにアルヴィーゼがやってくる。
わざわざ見送りは不要だと言うファイサルに、アルヴィーゼは言う。
「これでようやく、我らが宿願が叶うかもしれんなと思ってな」
ファイサルはなにを寝ぼけたことを、と笑う。
彼は言う。すべてはこれからなのだ、と。
スエズを制し、砂漠の民の国を作る。そして運河を通し、商いを行う。その間もトルコとの戦いは延々と続くことになる。
アルヴィーゼは、その言葉に改めて気を引き締めて二人の出発を見送るのだった。
カイロに到着した二人。まずは、休憩所の主人を通じ、首長たちに取り次いでもらうことに。
主人は、ファイサルの出現に驚くも、彼の頼みを快く引き受ける。
二人が休憩所にて、首長たちの使いが到着するのを待っていると、不意にファイサルが黙り込み、近くに座る客たちの話に耳を傾ける。
彼らの話によれば、マジョルカ沖でハイレディンが何者かの騙まし討ちに遭い、負傷。
これが原因で、トルコ艦隊との合流が遅れ、ヤッファ沖に派遣された鎮圧艦隊もしばらくは攻勢に出られないとのことだった。
ファイサルは、ヤッファへ戻ったら、この件をアルヴィーゼに伝えるようプレイヤー名に依頼するのだった。
そこにようやく、使者がやってくる。首長たちは対岸の砂漠にて待っているとのことだった。
首長たちは二人を歓待。ファイサルは宝剣を彼らに見せ、挙兵への参加を促す。
これさえあれば、スエズの民はファイサルを支配者として認める。
戦いで功を立てれば、建国の功労者として、末代まで讃えられることも夢ではない、と。
ファイサルの言葉に首長たちは、参加を快諾。
さっそく、部族の者たちに報せ、戦の準備を始めるという。
ファイサルは、首長たちに請われ、彼らと援軍を率い、ヤッファへ合流することに。
プレイヤー名は一足先にアルヴィーゼの元へ戻ることとなる。
砂漠を後にしたプレイヤー名。
船着場にて出港準備をしていると、砂漠から一発の銃声が響くのを聞く。
だが、同じくその音を聞いた案内人は、おおかた砂漠の匪賊たちが騒いでいるのだろう、と笑うのみだった。
27章:終局の奇襲作戦 †
- あらすじ
ヤッファに帰還したプレイヤー名は、アルヴィーゼにハイレディンが負傷し、合流していないことを告げる。
それを聞いたベドウィン兵は色めき立ち、敵艦隊に奇襲をしかけようと提案。
だが、アルヴィーゼはその提案を却下する。
なぜなら、奇襲を成功させるには、彼らの手持ちの船は、あまりにも少なかったからだ。
そのとき、ヴィットーリアが、沖合に艦隊が現れたとの報せを持ってくる。
まさか敵襲かと、港へ駆けつける一同。だが、現れた艦隊はフランスの海軍旗をつけていた。
入港してきた軍人たちに、用件を尋ねるアルヴィーゼ。
彼らはフランスの母后より命を受け、アルヴィーゼと共に戦うよう参上した、マルセイユ駐留艦隊だという。
自分たちが、ここで戦っていることを、なぜ母后が知っているのか、アルヴィーゼは訝しむ。
だが、軍人たちも、急な命令で詳しい事情は何も聞かされていないという。
ともあれ、心強い援軍を得たアルヴィーゼは、緊急作戦会議を開くため、
プレイヤー名を伴い、モスク跡へと向かうのだった。
会議の場で、アルヴィーゼは、フランス海軍の参戦をこの戦いにおける最大の好機ととらえ、奇襲作戦を発令する。
それは、ヴェネツィア艦隊が敵戦列を突破し、さらにはフランス艦隊が突撃し、旗艦を撃沈するという波状攻撃だった。
兵たちから、不安の声があがる。アルヴィーゼはプレイヤー名が仕入れてきた、ハイレディン負傷の情報を明かし、こう叫ぶ。
「ハイレディンなくば、トルコ海軍など烏合の衆に過ぎん! 貴公らは地中海に勇猛をもって鳴らした名将揃い。
今こそ、地中海を奪還すべく、我らの力、見せつけてくれようではないか!」
この言葉に兵たちは、大いに奮い立つのだった。
出撃を前に、アルヴィーゼは、ヴィットーリアにファイサルの帰還を待っているよう命じる。
ヴィットーリアは、プレイヤー名とアルヴィーゼの武運を祈り、その背を見送る。
トルコ艦隊がベイルート沖に停泊しているとの情報が届くと、アルヴィーゼは艦隊を進発させる。
ガレアス×1、重ガレー×9と戦闘
ガレアス×3、重ガレー×7と戦闘
二連戦
トルコの大艦隊を発見したアルヴィーゼは、攻撃を命じる。突然の敵襲に狼狽するトルコ兵たち。
ヴェネツィア艦隊とプレイヤー名の活躍により、敵隊列は崩壊する。
アルヴィーゼが自ら剣を執り、敵をひきつけている間に、プレイヤー名とフランス艦隊が敵陣中央に突入。
死闘の末、旗艦を撃沈されたトルコの大艦隊は、散り散りに壊走していくのだった。
名工の大工道具22獲得
戦闘名声400獲得
28章:戦いの帰結 †
- あらすじ
大勝利を物にし、意気揚々とヤッファへ帰還した一行。
アルヴィーゼは、プレイヤー名とフランス艦隊の活躍に深く感謝し、報酬として戦利品を差し出す。
それを受け取ったフランス艦隊の面々は、次の任務があると、本国へと帰還していくのだった。
250000D入手
彼らを見送ったアルヴィーゼは、守備を任せていたベドウィン兵たちの姿が見当たらないを訝しんでいた。
そこにヴィットーリアが茫然自失の態で現れる。
彼女は涙を流しながら、プレイヤー名とアルヴィーゼにこう言う。
「…ごめんなさい。突然のことで…。私、なにもできなかった…」
なにがあったのか尋ねるアルヴィーゼ。そこに、聞き覚えのある声が響く。
「ベドウィン兵の方々には退去して頂きました」
現れたのは、グラデニーゴだった。
彼はアルヴィーゼたちが出撃している間に、ヤッファに上陸。
ヴェネツィア兵だからと油断しているベドウィン兵たちを突然攻撃し、壊走させたというのだ。
アルヴィーゼたちに武装解除し、ヤッファを去るよう迫るグラデニーゴ。
アルヴィーゼは激怒し、ファイサルが戻ってきたとき、どう弁解するつもりだと詰め寄る。
その言葉をせせら笑うグラデニーゴ。
彼は、アルヴィーゼが戦いを進めている間も、トルコとの講和交渉を続けていた。
その中でスルタンが、是が非でもカリフの宝剣を手に入れようとしていることを知ると、これに目を付け、ベドウィンの首長たちをひそかに買収。
もし、ファイサルが宝剣を手に入れた場合は殺して奪うよう、裏で手を回していたのだった。
その結果、ファイサルは首長たちに暗殺され、宝剣はグラデニーゴの元へ。
宝剣を献上されたスルタンは、ベドウィンをヤッファから駆逐することを条件に、講和を受け入れたという。
戦友の死。そして国のため、民のために夢見たスエズ運河計画の突然の終焉。
アルヴィーゼは、怒りと絶望を込め、手にした短銃をグラデニーゴに向ける。
だが、グラデニーゴに伴われた、ヴェネツィアの軍人たちが、これを制止する。
全権大使のグラデニーゴを撃てば、アルヴィーゼだけでなく、ヴィットーリアやプレイヤー名をも斬らねばならないというのだ。
銃を地面に叩きつけるアルヴィーゼ。
それを見たグラデニーゴは、満足げに笑いながら去っていくのだった。
軍人たちによれば、今回の決定はグラデニーゴの一存によるものではなく、元首以下、十人委員会の総意とのこと。
今はトルコと全面的に張り合う冒険よりも、国内産業を充実させることが重要だという。
元首はアルヴィーゼに恩赦を与え、カンディア前線基地の防衛隊長に任ずるという。
だが、そんなものは、体のよい厄介払いであることは火を見るより明らかだった。
アルヴィーゼは、たとえ自分一人でも、ヤッファの拠点を守り抜くと宣言。
すると、軍人は悲しげに言う。そうなれば、同胞が相争い、無駄な血を流す事態になる、と。
アルヴィーゼは、自分とファイサルが、グラデニーゴの掌で踊らされていた事実に絶望。
その日のうちに、カンディアへ発つことを告げると、共に戦ったベドウィンの戦士たちへの弔うため、港とは逆の方向へと去っていく。
軍人たちは、アルヴィーゼの勝手な行動を止めようとする。ヴィットーリアは、そっとしておいてあげてと止める。
だが、それでも退去させようとする軍人たちに、ヴィットーリアは、こうつぶやく。
これ以上、私たちを失望させないで、と。
その深い悲しみと静かな怒りに満ちた言葉に、軍人たちは思わず黙り込むと、武器を収め、去っていく。
ヴィットーリアは、自分もアルヴィーゼと共に、カンディアへ行くという。
たとえどんなに強い人でも、本当に悲しいときには、誰かが傍にいなければ、耐えられない。
ちょうど、ヴィットーリア自身が、自らの夢を捨て、サロンを閉じた際、プレイヤー名がいなければ耐えられなかったように。
ヴィットーリアの首飾り入手
ヴィットーリアは、いつか悲しみが癒え、互いに微笑むことができるようになった日に再会しようと約束し、去っていくのだった。
こうして、ヴェネツィアはトルコと講和を結び、アルヴィーゼとファイサルによるスエズ運河計画は消滅。
スエズ地峡近郊における激戦は、公式文書には記されることなく、アルヴィーゼはカンディアへと左遷。
一方、グラデニーゴは、無血で講和を成立させた英雄として、本国へと凱旋したのだった。
29章:救国の英雄 †
- あらすじ
後日、ヴェネツィアへと帰還したプレイヤー名を見た住民たちは、なにやら噂話をしている模様。
街に入るなり、役人がやってきて、元首公邸への出頭を命じられる。
元首は、プレイヤー名のヤッファでの活躍を讃え、多額の報酬を与える。
だが、その態度はどこか、よそよそしい。
なんでも、十人委員会に突然欠員ができ、後任にカンディアに駐屯するアルヴィーゼが選ばれたというのだ。
プレイヤー名は、元首の真意もわからぬまま、アルヴィーゼへの辞令を届けることに。
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公邸から出てきたプレイヤー名を待っていたのは、住民たちの歓迎だった。
プレイヤー名とアルヴィーゼを、救国の英雄だと讃える住民たち。逆にグラデニーゴに対しては、天罰が下って当然だと非難している。
事情がわからず、なにがあったのかを尋ねるプレイヤー名。
商人は、一月ほど前の話を始める。
グラデニーゴは、トルコと講和を結んだ英雄として帰還。一時は元首から、次期元首に指名されるほどの勢いを誇っていた。
ところが、そのことを住民たちに報告している最中、急に倒れ、そのまま死んでしまったという。
しかも、その際、鐘楼から再び怪文書が撒かれ、そこにはこう書いてあったという。
「我らベドウィン兵一同、首長の無念を晴らすため、この者に報復を果たせり」
この怪文を裏付けるかのように、グラデニーゴの死因は、服に仕込まれていた、砂漠のサソリの猛毒だったという。
また、それから数日後、エジプトから来た商人がアルヴィーゼのヤッファ近海での戦いについて、噂をしていた。
そのため、人々が事実関係を調べた結果、講和の真相が判明。今や、政府関係者以外は、誰も公式発表を信じていないとのことだった。
だが、そこに役人が現れ、いい加減なことを吹聴するなとしかりつける。
たちまち、逃げ去る住民たち。
その様子を物陰から眺めるジュリアンは、これでもはや、この地に思い残すこともない、とつぶやき、姿を消すのだった。
カンディアへ向かうと、アルヴィーゼは、艦隊を率い、軍事演習に出ているところだった。
そこにヴィットーリアがやってくる。
アルヴィーゼの十人委員会復帰を聞いた彼女は、にわかに信じられない様子。
そのとき、港から騒がしい声が聞こえてくる。
演習に出ていたアルヴィーゼが、帰還したのだ。
30章:黄昏の都に捧ぐ †
- あらすじ
港では、アルヴィーゼが駐屯兵たちの不甲斐なさに憤慨していた。なにしろ兵は、実戦経験のない新兵ばかり。前線基地がこの有様では、本土を守ることすらままならないことは目に見えている。
プレイヤー名に自らの置かれた立場を自嘲的に語るアルヴィーゼ。
十人委員会に復帰せよとの事例を受け取ると、それがグラデニーゴの姦計なのではないかと疑う。だが、そのグラデニーゴが死んだと聞き、さらに愕然とする。
ヴィットーリアが、鐘楼から怪文書が撒かれたことに触れると、アルヴィーゼは一連の事件が、ジュリアンの仕業だと確信する。
彼は、ヤッファでの援軍も、ジュリアンが母后に働きかけた結果だと察していた。
これから、どうするつもりかと尋ねるヴィットーリア。アルヴィーゼは、腐敗した今の十人委員会に戻るつもりはないと答える。
だが、ヴィットーリアは問いかける。本当にそれでいいのか、と。
このまま行けば祖国は遠からず滅びることは、アルヴィーゼにはわかっていた。
だが、彼の心にはファイサルたちを救えなかった悔恨がわだかまっていたのだ。
しかし、ヴィットーリアは言う。だからこそ、あなたは戻らなくてはいけないのだと。
ファイサルは、死ぬ間際、トルコとの戦は続き、宿願を考えるのは、先の話だと言っていた。
アルヴィーゼには、その意思を継ぎ、少しずつでも前へ進む責任があるというのだ。
アルヴィーゼは、自らに課せられた責務の重たさを痛感しつつ、本国への帰還を決意するのだった。
ヴェネツィアに到着した一行は、住民たちの熱狂的な歓迎を受ける。
さっそく、元首の元へと呼び出されたアルヴィーゼは、いつか、ファイサルとの約束を果たすためそして、気まぐれな祖国の民を守っていくため、生涯をささげることを誓い、公邸へと向かう。
その後姿を見届けたヴィットーリアは、肩の荷が下りた思いだった。だが、それは同時に、彼女が目指すべきものを失ったことも意味していた。
もはや、彼女が夢を賭けていたサロンは、この町に存在しないのだ。
だが、そこに懐かしい声が響き渡る。駆け寄ってきたのは、サロンの芸術家たちだった。
彼らは、ヴィットーリアに再び一緒に夢を追おうと持ちかける。
ヴィットーリアは、プレイヤー名にサロンを再開することを宣言。
いつの日か、この町を芸術の街にし、人々の心に安らぎを与えられるよう、自らも一歩ずつ前へ進んでいくことを、改めて心に誓うのだった。
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重要人物 †
- ヴィットーリア・オルセオロ(サロンの主催者)
- アルヴィーゼ・オルセオロ(元首補佐官)
- ハルーン(ムスリムの少年、財宝発掘家の卵)
- グラデニーゴ(十人委員会委員長)
- ファイサル(ベドウィン首長)
- ジュリアン・クラレンス(フランスの財宝探索家)
- オグン(アフリカの戦士)